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平成31年度施政方針

記事ID:0003804 更新日:2020年3月17日更新
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平成31年度施政方針

【所 信】

本日ここに、平成31年度の一般会計予算をはじめとする各議案のご審議をお願いするに当たり、私の町政運営に向けての所信と、重点施策の大要について申し上げ、議員各位並びに町民の皆さんのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 昨年5月執行されました町長選挙で、多くの町民から御支持をいただきました。これは、いうまでもなく、多くの期待であり、この町を何とかしてほしいという熱い思いであると私は実感しております。当然、いまでもこの重責を忘れずに9か月間わたくしなりに全力で走ってまいりました。

 私の町政運営理念「小さくても、みんなが笑顔で、幸せを感じる町」ですが、

この「幸せ」について、私は、「日常の安心感」と「明日への希望」ではないか?と考えております。

 「日常の安心感」とは、人が生活するうえで衣食住が基本と言われてきました。服に困らない、食べるに困らない、住まいに困らないということです。普通に不安なく生活できる「日常の安心感」を持っていただくことが、政治や行政の根本であります。もっと具体的に言えば、買い物に困らない、病院行くのに困らない、仕事に行くのに困らない、子育てに困らない、などでしょうか。

また「明日への希望」とは、今日より明日が、町が良くなっていく雰囲気を醸し出すことが大切であるといえます。ご年配の方から「昔は琴平は生活しよい町やった。病院にも買いもんにも困らんかった。」「昔はようけ観光客がきよった。」「昔は食べ物屋や飲み屋がようけあった。」など、良かった昔の話をよく聞きます。若い方からは、「図書館がほしい、公園が少ない、学校に子供が少ない、公共施設が古い」、などマイナスの話しか聞こえてきません。住んでいる町民の皆さんが、今の現状を悔やみ、未来に期待、希望を感じ無い町に、発展はあるのでしょうか?そんなマイナスオーラが蔓延する町が元気になるでしょうか?確かに現状は少子高齢化で、人口減少が急激に進んでいます。でも、それを見て見ぬふりをして、何もせず、無策でいるのは、ある意味「楽(らく)」かもしれません。しかし、全国区の知名度がある「琴平町」が、このまま凋落してしまうことはあってはいけないのです。私は、ピンチをチャンスに、悪い要素も逆転の発想で、まずは、「なんか良くなってきた。」「なんかワクワクしてきた。」という前向きで前のめりの姿勢を町民の皆さんに見せることが、私の大きな仕事、使命であると確信しております。

こうしたことを肝に銘じ片岡町政、最初の予算編成を行いました。

 

 【施策の大要】

 

それでは、新年度の施策の大要につきまして、新規施策や主な事業を中心にご説明申し上げます。

 

 まず、本町の懸案事項であります、保育所、幼稚園、小学校の統合整備、また耐震問題を抱えている役場新庁舎の建設につきまして、どこに、どのように、いつ頃に整備するのか、基本的な構想を策定し、議会をはじめ町民にも多くの方々にご理解を得て、新年度早々にも取りまとめたいと思います。それにより、総合的基本構想から各施設を順次、財政を鑑みながら基本構想、基本計画、実施計画などの策定に進めていければと思います。重い決断になると思いますが、泥をかぶる覚悟で取り組む決意であります。

 2月に防災講演会を開催し、多くの町民の方々に、豊岡市長のお話を聞いていただき、大水害が発生した時の心得等を学んでいただきました。市長は、迫りくる災害の真っただ中でも防災行政無線に「あきらめないでがんばってください!」と市民に呼び掛けたそうです。町の安心安全は、町民の財産と生命を守ることが基本です。昨夏は大雨や台風に襲われ、わが町もいつ大水害、大地震の被害をうけてもおかしくない状況であるといえます。しかしながら、以前より議会にも報告し、また議員各位よりご指摘いただいておりますように、町の防災体制等を強化するため見直しに着手します。

まずは、町民と共に現場の声を反映し、町地域防災計画を見直します。その上で、自主防災組織や住民ボランティアによる運営協力を取り入れた避難所の運営マニュアルや避難マニュアルの策定を行います。さらに、実際に災害が発生したことを想定し、災害時の復旧計画(BCP)を作成します。

 そのために、町組織編成で企画防災課を設置し、災害対策に取り組む姿勢を示し、防災危機管理のプロフェッショナルを町に招き、各防災計画、マニュアルの作成に携わってもらうだけでなく、平時の対応対策を提言してもらいます。

旧金毘羅大芝居の耐震結果、大センダンの診断結果、保育所や幼稚園、各小学校の施設の更新に関する結果など、本町が抱えている課題の調査結果が、新年度に次々と報告される予定です。これらを受けて協議し、どう対応するかを決定いたします。

また、1890年、明治23年2月15日に旧琴平町は町制を敷き、新年度の2020年2月15日に130年の節目となります。このことから、再来年度、2020年度を「琴平町町制130年記念の年」とし、2019度はそのための準備を進めてまいります。

 議会のご議決をいただき、4月より組織改編を行います。職員も業務がしやすく、町民にもわかりやすくなるように工夫いたします。行政力の向上は、町職員の意識の向上、働きやすい環境づくりが基礎と考えております。研修や業務内容の改善、コンプライアンスやハラスメント対策などにも取り組んでまいります。

 また、要望の多かった1階ロビーに「総合窓口受付」を設け、各課へのご案内、代表電話の対応を行い、町民の満足度が高い役場を目指します。

古くなった役場庁舎ではありますが、町民のみなさんが気持ちよく役場を利用できるように、長年蓄積された汚れを落とすため、専門業者への清掃委託を行います。

役場1階ロビーに町民が自由に使える有料のコピー機を設置し、行政サービスの向上を図ります。

今年度、庁舎内のトイレの洋式化を行いましたが、トイレを気持ちよくつかってもらうために、便座クリーナーとハンドドライヤーを設置いたします。

年々利用者数が増加しておりますコトデン琴平駅の点字ブロック化が未整備であり目の不自由な方に不親切である現状を改善するため、県費補助を活用して駅のバリアフリー化に対応してまいります。

現在の町ホームページが構成されて5年が経過しており、スマートフォン対応など現状に合わないことが、多くの方々より指摘されております。琴平町の情報を一層見やすく、またリアルタイムで新しい情報発信を、町外の方や外国人の方にも対応すべく、町ホームページのリニューアルを致します。

本年11月に、まんのう町との共催により、少子高齢化・過疎化の進む農山村の再生を考える「全国水源の里シンポジウム」を両町にて開催予定です。水源の里振興に取り組む全国の市町村関係者や住民ら約1000人が参加予定で、町の情報発信を行います。

 昨今、我が国では、低炭素社会の実現のために、環境政策を契機に経済・地域などの諸課題の同時解決を図るような「環境・経済・社会の統合的向上」を具体化した取組を行っています。国土交通省では、この「環境・経済・社会の統合的向上」の考え方に基づき、高齢化が進む地域での地域内交通の確保や、観光資源となるような新たな観光モビリティの展開など、地域が抱える様々な交通の課題の解決と、地域での低炭素型モビリティの普及を同時に進められる「グリーンスローモビリティ」の推進を行います。この導入により、地域が抱える様々な交通の課題の解決や低炭素型交通の確立を目指しています。本町でも、コミュニティバスなど、町内の公共交通を期待する町民の声が多くあります。そうしたことから、国交省の推進するこの制度を四国で初めて活用し、まずは、低速電動バスを試験的に、この4月に実験走行をしたいと思います。小さい面積の本町にはピッタリではないかと思いますし、観光事業の活用も視野に入れており、大きな目玉になる可能性を秘めております。ぜひ、議員各位をはじめ、多くの町民の方々、観光客の方にも体験乗車いただき、感想や活用方法についても一緒に考えていただければ幸甚です。試験運行結果次第で、さらに社会実験を重ね、町民の足の確保につなげればと大いに期待しております。

シティプロモーション事業に取り組みます。シティプロモーションとは、自治体の営業活動として、これまで本町の弱かった、観光面だけでなく「町」を売り出すことを意識して取り組みたいと考えております。新年度では、琴平町のオリジナル年賀状の作成や、LINEスタンプ販売や、キャッチコピー選定などに取り組みます。

これまでは総合計画の基本理念「住んでよし・訪れてよし 琴平町」を町のフレーズに使用してまいりましたが、私は、これはあくまでも総合計画の基本理念であって、町のイメージアップを図るためには、琴平町のオリジナルのキャッチフレーズが必要でないかと考えております。そこで、新年度では、琴平町のキャッチフレーズを新たに選定し、またそのフレーズをイラスト化してロゴとして具現化し、町職員が使用しております名札や名刺などに活用し、琴平町のマスコットキャラクターのこんぴーくんと共に、琴平町のPRや情報発信に活用していきたいと思います。こうしたことは、琴平町役場の「統一感」を醸し出すことにより、町民やまた訪れる方に対して、役場の「一致団結」感を意識していただく狙いもあります。

 平成31年4月より施行されます琴平町景観条例に基づき、設置いたします審査委員会の開催経費及び良好な景観形成を進めるため、工事に対する補助金として景観形成推進事業補助金を計上いたします。いよいよ町の景観形成を本格化してまいります。

・東京2020オリンピック事業費を計上しております。来年夏には、第32回オリンピック競技大会2020年東京大会、東京2020パラリンピック競技大会が開催されます。全国をつないで周る聖火のリレーも、来年4月に香川県内をめぐる予定となっております。日本中が徐々にその期待が高まってきているところです。とはいえ、東京で開催されるオリパラを我が町にも町民に直接かかわっていただきたく、近隣市との連携により、ホストタウンや文化、スポーツを通じた国際交流を積極的に推進してまいります。

 平成33年度の固定資産評価替えにおいて活用する標準宅地の不動産鑑定評価及び固定資産税評価に係る状況類似地区の適正な設定に関する助言を行う業務及びそれに付随する業務を行います。また、固定資産税課税資料として、航空写真の撮影をいたします。

本年(2019年)10月から地方税共通納税が開始されることに伴いまして、Eltaxシステムへの機能追加経費を計上しております。

  保健・医療・介護・福祉の面では「予防」の充実を図り、健康寿命の延伸と、引き続き地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の整備を推進します。

介護医療院に移行するための準備経費として、介護施設等の施設開設準備経費等支援事業費を計上いたしております。

 琴平町高齢者保健福祉計画及び第8期介護保険事業計画策定に着手いたします。

 また、地域包括支援センターを事業ごとに社会福祉協議会へ業務委託し、引き続き地域包括ケアシステムの構築を推進していきます。

町内での危険ブロック塀の撤去費用に対する補助金を県費と共に計上し、対応してまいります。

 新町東商店街アーケード、旧みどりやから東條金物屋までの撤去が予定されており、費用の補助及び街灯の整備を行います。

 インバウンド誘致による訪日外国人観光客増加に対応するためのインフラ整備の一環として、看板設置工事を行います。

 また、夜の時間を有効に活用して、一之橋公園を主軸としたイベントや催し物を開催し夜を楽しく過ごしていただこうと考えております。

平成30年度には札の前のトイレを改修いたしました。新年度では、さらに高燈籠トイレ老朽化のため、改修工事を行います。

 平成32年度4月から、ブロックとなります香川県広域水道企業団でありますが、新年度につきまして五條の琴平事務所で、本町の職員5名が出向し営業を行い、今までどおり、町民の皆さんに安心安全な水道水を供給いたします。

 以前より町議会で研究検討課題でした町議会のペーパーレス化事業につきまして、会議資料などをタブレットに配信し、推進してまいります。

 また、最近何かと話題になっておりますAIについて、三豊市を中心とした中讃地域の市町で構成する「広域自治体等人工知能活用推進協議会」に加盟し、東京大学松尾研究室とタイアップし、行政でのAIの効果的活用を考えていきたいと思います。

教育面においては、次代を担う子どもたちの自主性と創造性を培うとともに、確かな学力を身につけ、豊かでたくましい心と体を育てる教育の充実に努めて参りたいと考えているところでございます。

支え合い、思い合い、競い合い、学び合うことを通して、自立に向かえる子どもたちを育てるために、「育てたい子供の姿」を家庭や地域と共有し、学校と地域が協働で子育てに当たれるようにして参ります。

学校では、知識・技能の習得をはじめ、思考力や判断力、表現力を鍛える学習を充実するほか、地域や外部組織との連携を密にし、校外にある教育資源や叡智を効果的に活用していくことが必要であると考えております。

さて、30年度より改築工事がスタートいたしました琴平中学校校舎と体育館工事でございますが、建設事業費に18億円余を計上いたしました。

さらに、新しい校舎で使う机やいすなど含む備品につきましても、充実した環境の下で学習ができるよう整備していく所存であります。

また、1月末に竣工し、中学校移転経費、産廃処理費及び運搬費なども必要となっております。また、2020年度には、旧建物の取り壊し、外構工事などが予定しており、2期工事の準備などにも取り掛かります。

 続いて、2学期より各学校・園に新たに給食を供給します善通寺市・琴平町・多度津町学校給食センターにつきましては、7月、8月の準備期間を終え清潔で近代的な設備の元、安価に安全安心でおいしい給食を調理、配食いたします。議員の皆さんがご心配いただきました子どもたちのアレルギー対応についてもまずは乳と卵から取り組み、順次品目を増やしていくように計画しております。

ところで、文部科学省では、新指導要領の実施を見据え、「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画(2018~2022年度)」を策定しています。琴平中学校の新校舎が今年度末に完成し、使用開始することからも、小学校もICT化を推進していかねばなりません。そこで、ICT教育環境整備が重要と考える全国の首長有志が集い、必要な情報の提供や財源確保のための要請などを実行する協議会「全国ICT教育首長協議会」に加盟し、「主体的・対話的で深い学びの実現」のために推進してまいります。

 最近は、いじめ、虐待、貧困とあまり聞きたくない言葉が煩雑に報道され、ていることから子供たちを取りまく環境をよりよいものにしていく必要があります。子どもたち一人一人に寄り添い、悩みを聞いたりするためにもスクールソーシャルワーカーを増員し、保健師を各学校に派遣し、健全な教育環境づくりに取り組みます。

 また、私の公約の学校の公営塾につきまして、目的を明確化し、どのように何を行うかなど具体的な計画の研究計画を進めます。

 こうした教育環境の改善を図ることを通して、子育て世代の若い世代を我が町に呼び、少しでも人口減少問題の解消に資したいと思っております。

 

【最後に】

 以上、私の町政運営における所信の一端と新年度の施策の大要について申し上げました。

平成31年度は、年号が変わる時代の変わり目となります。2020年は東京オリンピックです。また琴平町町制130年の記念の節目の年です。わが国が、また、琴平町が、もう一度立ち上がるには絶好のタイミングであると確信しております。

 私の好きな言葉の一つに「先手準備必勝」というのがあります。先手必勝とは先に攻撃を仕掛けたほうが有利という意味ですが、先手準備必勝というのは、先に十分に準備をしておいて戦いを仕掛けたほうが有利という意味です。つまり先手先手で準備をして、いざという時に備えるということです。何でもかんでも手を付けるより、備えをしっかりしているほうがリスクを少なくできます。平成31年度は、まさにそんな年であると私は思います。あくまでも私の感覚ですが、国は2020年までに出来ることをやりましょう!と地方には手を差し伸べてくるように感じます。それ以降は、地方に厳しい対応を求めてくるように感じております。そのためにも平成31年度は、琴平町政にとって「準備」の年であり、「挑戦」する年であると、強く感じております。私をはじめすべての職員が、様々な課題を更なる発展への可能性と捉え、町民の皆さんの声を大切にし、町が今日よりも明日がよくなるように、「失敗を恐れず挑戦する」という気概を持って、あらゆる場面において自ら考え行動してまいります。
 何卒、議員各位をはじめ、町民の皆さんのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 本定例会に提案いたしました一般会計・各特別会計予算案をはじめ、すべての提案について、十分なるご審議を賜り、議決をいただきますようお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。