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令和2年度施政方針

記事ID:0003802 更新日:2020年3月17日更新
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令和2年度施政方針

【所 信】

本日ここに、令和2年度におけます新年度予算案をはじめ各議案の提案、ご審議をお願いするに当たり、私の町政運営に向けての施政方針と、主要施策の大要について申し上げ、議員各位並びに、町民の皆さんのご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 令和元年度を振り返りますと、5月に元号が「平成」から「令和」に改められ、新たな時代が始まりました。改元により国民は祝い、様々なブームが起こり、本町にも多くの方々が令和のこんぴら詣りへと訪れました。

10月に消費税が10%に引き上げられ、軽減税率制度やキャッシュレス決済制度の促進など、徐々にではありますが、私たちの生活スタイルも変わりつつあります。同時に幼児教育・保育の無料化がスタートし、子育て支援も進みました。
 このように我が国にとって、大きな変動がみられた本年度ですが、琴平町にとりましても、一般会計予算規模が60億円を超え、過去最大となりました。

その主な原因は、琴平中学校の校舎と体育館建設工事事業であります。この1月末に無事引き渡しがなされ、3月の備品搬入と引っ越しを終えて、新学期から利用開始の運びとなっております。新たな白亜の殿堂がそびえ建ち、館内や教室も木質化により温かみのある空間となり、機能性、使いやすさ、ICT教育に対応できる設備の充実など、これからの人材育成に期待できる校舎と体育館と言えます。中学生のみならず、多くの町民の会合や災害時の拠点など、琴平町の新たなシンボルとしておおいに期待いたしております。

9月より善通寺市、多度津町との1市2町による共同運営の給食センターが、善通寺市に建設され、稼働いたしました。全国的にも珍しい運営方式であり、各地で同様に自治体を超えた共同運営方式を模索しているようで、そうした面では先進的取り組みといえます。最新技術設備の導入と調理などを民間に委託し、アレルギー対応も含め、安心安全な給食を子供たちに提供しております。

新年度予算審議は、私が町長に就任いたしまして2回目となります。町政運営の理念「小さくても、みんなが笑顔で、幸せを感じる町」を忘れずに、執務にあたっております。1年9か月が過ぎましたが、お会いする方から「ちょっと変わった町長」とよく言われます。確かに、首長の威厳や貫禄、落ち着きは恥ずかしながら私にはあまりありません。しゃべりすぎることや早口で分かりにくいなど、お叱りを受けることもあります。一方で、親しみを感じる、気さくに本音で話し合える、何か新しいことにチャレンジしている、といった前向きに取り組む姿勢を評価いただくこともあります。老舗観光地であり、由緒ある琴平町。しかし、人口急減と少子高齢化は県内でも厳しい現状です。特に、昨年の出生者数は、40人台で、亡くなった方が130~140人と、毎年 100人程度の自然減が止まらないことは、深刻といえます。まずは、若い方を中心に町外に転出しないように、しっかり対策せねばなりません。先日ある会合で若い方との話の中で「町長、こないだ結婚して高松に住みだしたんやけど、高松にはチャイルドシートやベビーカーの補助金が無いんで。当たり前かと思うてたから、びっくりしたわ。琴平町は凄いな。」と聞かされました。一方でここ中讃地域では、残念ながら、丸亀市や宇多津町が住やすいという声を聞きます。私が申し上げたいのは、本町は、観光地として有名で、訪れる方や訪れたい方は多くいらっしゃいますが、住みたい、住んでみたいという声が少ないということです。つまり、観光地としての取り組みはもちろん、自治体としてのイメージアップが必要だと強く感じております。

そうした発想から、なんか前向きな、面白いことに取り組んでいるという、こつこつと積み上げながら、他の自治体より目立つ琴平町のイメージを、まずは町民の皆さん、そして県内の皆さんに持ってもらうように、これからも働きかけをしてまいりますので、皆さん方もご理解ご協力をお願いします。

 

【施策の大要】

 

それでは、新年度の施策の大要につきまして、新規施策や主な事業を中心にご説明申し上げます。

 

新年度では、令和3年度から始まる10年間の第五次琴平町総合計画(仮称)を策定いたします。地方自治法の改正により策定の義務付けが廃止されましたが、法律の規定がなくなったことを踏まえ、10年後の琴平町の姿を描き、それを実現するための指針となる、自由な発想で時代の変化や琴平町の実情を的確に捉えた分かりやすい計画を策定してまいります。

公共施設の適正配置並びに整備につきまして、小学校の統合、保育所・幼稚園の在り方、庁舎の改築は、今月末にはその配置、工程、予想経費を一括で議会、教育委員会にお示しいたします。提示が大変遅くなりました。それぞれ概ねのご了解をいただいたうえで、保護者、住民にも説明し、何とか新年度中には、次へのステップに進み、具体化を図りたいと考えております。

また、令和2年度から導入されます会計年度任用職員制度につきましては、国の働き方改革に沿ったものでございますが、人件費の大幅な増加が見込まれております。より一層の経費削減、各種事業の効率化に努め、行政力を向上しなければならないと考えております。

みんなで支えあい健やかに暮らせるまちづくり(保健・福祉)

 県内では、直島町のみが取り組んでおります、現在15歳までの医療費の支給を、高校卒業の18歳まで引き上げ、子育て支援に取り組みます。

今まで実施されていませんでした5歳児の歯科検診、フッ素塗布事業を追加して行うことにより、子どもたちの虫歯の早期発見、健康な歯づくりの向上を図ります。

また要望が多くありました75歳以上の重度心身障がい者等医療費受給者に対し、自動償還方式に変更し、安心して医療につけるよう応援します。

 

安心・安全で住みやすいまちづくり(住民生活)

ここ近年における世界的な気候変動によって年々深刻化する災害等に備える意味から、土砂災害・洪水ハザードマップを作成いたします。こうした災害につきましては被害を0にすることは難しいですが、様々な条件を考慮し、想定の範囲を広げ、危機管理の在り方をしっかりと見直して、町民のみなさんへの情報の共有の在り方、効率的な被災された皆さんへの支援、国や県、関係機関との連携などを図っていき、安心安全な町づくりをめざしていきたいと思っております。また、多言語化も行い、外国人観光客対策にも取り組みます。

また「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に役立てる国土強靱化基本法 」が制定され、基本理念において、地方公共団体の責務として、「第十三条 都道府県または市町村は、国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、(中略)国土強靱化に関する施策の推進に関する基本的な計画「国土強靱化地域計画」を定めることができる」とされています。法定計画である国土強靱化地域計画とは、どのような大規模自然災害等が起こっても機能不全に陥らず、いつまでも元気であり続ける「強靱な地域」をつくりあげるためのプランであり、新年度中に琴平町国土強靭化地域計画(仮称)を策定します。

 公共交通対策として、本年度から導入のための実証実験に取り組んでおりますグリーンスローモビリティ事業、低速電動バス「コトコト感幸バス」につきまして、住民の皆さんの気軽な足替わり、また、観光の一つの目玉として活用できないか等引き続き検証して参ります。

 また、高齢者の自動車運転につきまして全国的に問題となっておりますが、町としても急発進事故防止対策として(後付け)ペダル踏み間違い装置への補助金を計上しております。

 これまで太陽光発電に対する設置補助を行っておりましたが、新たに太陽光発電の電力を蓄電する蓄電池設置の補助も行います。

 

生涯学び学べるまちづくり(教育)

本町の教育の方針を定めた「琴平町教育大綱」は、平成28年12月に制定され、今日まで至っておりますが、令和2年度をもって期間が終わることになります。そのため、新たに、令和3年度からの5年間の新しい大綱を制定することになります。そこで、新年度に大綱の内容を精査見直す策定作業を行う予定にしております。

平成29年度より始めました新琴平中学校建て替え工事でありますが、本年度その総仕上げとなる第2期工事を行います。本年1月に完成し新校舎にバトンを受け渡しました旧校舎・体育館の解体、運動場の整備、外構工事などを行う予定でございます。

 琴平中学校新校舎完成にあたりまして、各教室に電子黒板を配置し、校舎内にWifiを整備しました。現在国が進めております教育のIct化をめざす「Gigaスクールネットワーク構想」構築に向けて機器等の整備を行います。

さらに、本年度から始めました中学生の英語検定受験に関わる検定料の補助事業は、3年間で1回受験料を補助するものでありましたが、令和2年度より各級の受験に対して1回ずつ補助をするように拡充いたします。

学校給食特別会計につきましては、従来、幼稚園、小中学校の保護者から給食費を集め、それをそのまま旧琴平町給食センターに賄い材料費として納めておりました。しかし、現在は1市2町で運営する新たな給食センターが完成し、給食費を負担金として納めております。そこで会計上の処理としまして本年度10月より無償化となった保育所が給食費と同じ内容の副食費を一般会計で集めるしておりますことから、それと合わせるために一般会計に繰り入れます。

さらに、毎年4月、本町に歌舞伎の賑わいを見せる旧金毘羅大芝居・「金丸座」につきまして耐震を強化すべく「令和の大改修」を行います。6月に実施設計を仕上げ、工事にかかり、2ヵ年度をまたぎまして、令和3年の4月の歌舞伎期間中は工事を休み、その後令和3年度末には完成予定といたします。

 

いきいきと働き。活気に満ちたまちづくり(観光・経済)

観光対策として、「リビングヒストリー」事業を国の助成を活用して新たに行います。あらためて「こんぴら詣り」の原点を探り、参拝客には学びながら、江戸時代のこんぴら参り、その時代の衣装を着て体験してもらう体験型のアトラクションです。新たな観光客の誘致に期待できます。

「こんぴら温泉祭り」の拡充としまして、温泉ガストロノミーウォーキング事業を新たに善通寺市と共同にて行います。これは地域の名物や特産品の「食べる・飲む・歩く」をキーワードにしたスタンプラリーです。

昨年、新しいホテルが開業したことにより、温泉量の使用量が増えております。当面、湯量につきまして心配はありませんが、業界からの要望もあり、安定供給、将来を見通して、温泉事業特別会計から、新源泉の調査費を計上し、令和2年度に調査を行います。

農業対策におきましては、農家の高齢化による農地の減少、荒廃化などに歯止めをかける一つの施策として琴平町農地維持管理補助金を新設いたします。これによりまして農地の維持と管理のために、およそ1反につき5000円の補助をし、支援いたします。

 

住みたい、住み続けたい快適なまちづくり(建設)

 新年度では引き続き、町営住宅の整備、電灯のLED化の推進、道路の維持、修繕、橋梁の耐震化、交通安全対策など生活しやすい環境づくりに努めます。

 また、下水道特別会計につきまして、令和5年度までに公営企業会計へ適用の義務付けがあり、それに要する経費を計上しております。

 

住民と行政の協働によるまちづくり(町政運営)

琴平町は、今年2月に町制施行130周年を迎えました。明治23年に琴平村から琴平町に移行し誕生した本町は、香川県内では高松市と多度津町とともに最も古い市町村であります。そして当時の榎井村、神野村、象郷村がそれぞれ昭和33年までに合併し、現在の琴平町の規模となりました。明治、 大正、昭和、平成、令和と続いた時代に脈々と続いた永い歴史と伝統ある本町は、先輩諸兄の汗とたゆまぬ努力によって、現在の町があることを決して忘れてはならないといえます。そうしたことから、本年度は、町民挙げてこれを祝い、これを契機に町外には琴平町をアピールし、あらためてわが町の良さを実感し、そのことを大いに発信する1年にしたいと考えております。

 また、本年は、東京2020 オリンピックパラリンピックの年です。オリンピック聖火リレーが3月から全国を巡りますが、琴平町には4月18日にリレーがやってきます。地元でオリンピックをお祝いできる唯一のチャンスと捉え、大いに町民と共に盛り上げたいと思います。

 また、三豊市と連携して、大会参加国との交流を通じてのスポーツ振興や教育文化向上を目的としたホストタウンへの取り組みについて、欧州のベルギーと現在協議中です。条件が整えば、本町でもオリンピアンと町民との交流が期待できます。

 

【最後に】

  以上、私の町政運営における所信の一端と新年度の施策の大要について申し上げました。

 令和2年は、なんといっても東京2020、オリンピックパラリンピックの年です。「わが国が、また、琴平町が、もう一度立ち上がるには絶好のタイミングである」のです。

 「敵を知り、己を知れば百戦殆からず」これは有名な孫子の兵法の言葉です。

 琴平町が抱える課題を洗い出し、実情を整理する、この2つのことを「見える化」すれば、おのずと方策が見えてきます。

 令和2年度は、「考」える年。と捉えております。130周年という節目にあたり、これまでの町の経緯や歴史を振り返りつつ、これからの、将来の琴平町の姿、あり方を考える、描く1年にしたいと思います。

6月には、私の任期の半分を迎える折り返し点の今年度こそ、町民の皆さんのお声を聴き、未来の琴平町の姿、あるべき理想を住民の皆さんへお示しできるように、町職員と一丸となり努力いたす所存でございます。

 何卒、議員各位をはじめ、町民の皆さんのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 本定例会に提案いたしました一般会計・各特別会計予算案をはじめ、すべての提案について、十分なるご審議を賜り、ご承認をいただきますようお願い申し上げまして、私の施政方針といたします。